TEL. 0143-46-5341
〒050-8585 北海道室蘭市水元町27-1
軸間誤差は図4のように推定されました。軸間誤差の値の範囲が大きく、高精度な軸間誤差推定は実現できませんでした。その原因として今回は軸間誤差の推定を簡易に行うため軸間誤差を2軸間のみの速度の関係式から導出したこと、実際の固定翼UAVでのトリム調整では厳密なトリム状態でなく姿勢変動していたことなどの影響があると考えられます。
図4-(a) ピッチ角軸間誤差 図4-(b) ロール角軸間誤差
図4-(c) ヨー角軸間誤差
機体が回転運動しているときの各機体軸周りのモーメントを打ち消すように力をエルロンまたはエレベーターで発生させることでトリムを取ります。この時の舵角をトリム舵角とします。トリム舵角を、モーメント係数をはじめとする空力微係数、機体の慣性能率、計測された角速度から定量的に決定します。実際には図5に示す飛行と処理で実現します。
(1)トリムが取れている状態と仮定し自動で水平定常飛行を行い機体の回転運動を止める、(2)舵角をゼロ点に固定し飛行しつつ(3)角速度を計測、(4)(5)計測された角速度からトリム舵角を決定の5段階でトリム舵角を決定します。
結果
重心位置を機首方向に10cm、右方向に10cmずらした機体をシミュレーション上で飛行させ、本手法の効果を確認しました。シミュレーションの結果を図6に示します。高度変位や横方向変位が小さくなっていることから、効果が認められます。